プリスクール卒業生

プリスクール卒業生の英語力とその維持【徹底解説!】

バイリンガル保育士のぐりです。

英語保育園とも呼ばれる「プリスクール」

実際に英語力はどれくらいつくのでしょうか。

私が送り出した卒業生たちを参考に、徹底解説します。

卒業時にはかなりの英語力がつきますが、その維持の難しさについてもお話していくので、ぜひ最後まで読んでみてください。

プリスクール卒業生の英語力

プリスクールに通う幼児たちは英語をとても早いスピードで身につけていきます。通う日数や時間によって身につく英語力に差はありますが、保育園のように毎日フルタイムで通っている子たちを参考に英語の4技能、リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングそれぞれで英語力を見ていきます。

リスニング

年少児

英語学習経験ゼロで入園してくる子どもたち。

初めは先生が英語で話している内容は分からず、会話はできません。

Yes, Noと答えることももちろんできません。

ですが、歌を歌ったり、ゲームをしたり、先生の身振り手振りを見て内容を理解してきます。

数週間もたつと、毎日行うルーティン活動の内容は理解できるようになっていくでしょう。

お散歩、トイレ、手洗い、給食、おやつなど。

“It’s lunch time!” “Are you ready?”

このように少しでも理解できるようになると、子どもたちはより英語が楽しくなります。英語環境にも慣れ、アルファベットや簡単なお約束ごとなどのお話も理解しながら聞くことができるでしょう。

年長児

最終学年、年長クラスにもなると先生が話している普段の会話はほとんど理解できるようになります。

先生が言った冗談や、お友達とケンカしてしまったときの先生の仲裁、みんなでゲームをするときのルール説明などなど。

リスニング力はとても高くなります。

英語が好きな子は家でも英語でアニメを見たり、英語のテレビを好むようになるでしょう。

お母さん、お父さんが見ていた映画などを理解していたり、海外旅行で英語を理解していたりと、保護者が驚くほどリスニング力がつく子もいます。

スピーキング

リスニング力は、ある程度、長い時間英語環境にいれば身につく力ですが、スピーキング力はさらに上級なスキルです。

どれくらいスピーキング力があるかで英語力に大きく影響します。

一般に、3歳児の日本語の語彙力は約1,000語、そして年長さんの5歳児になると約3,000語、あるいは10,000語まで成長すると言われています。

プリスクールに通う子どもたちの英語の語彙数はどのくらいになるのでしょうか。

分かりやすく、英検で設定されている語彙数を参考に見てみます。

英検級(目安)目安語彙数
5級(中学初級)約600語
4級約1,300語
3級(中学卒業)約2,100語
準2級約3,600語
2級(高校卒業)約5,100語
準1級約7,500語
1級(大学上級)約10,000-15,000語

プリスクール卒業時で英検3級に合格した子がいました。

英検3級は中学卒業レベル、語彙数は約2,100語。

この子のスピーキング力は、単語で会話するだけでなく文章を組み立てて話すことができていました。

 

プリスクール生全員がこのレベルまでなるわけではありませんが、毎日英語環境で過ごすこと、英語で自分の意思を伝えようとすることが、子どもたちのスピーキング力を高めます。

リーディング

A, B, Cというアルファベットから始まり、フォニックス、サイトワードを覚え、単語を認識できるようになると文章が読めるようになります。

フォニックスとは、アルファベットの音のこと。

aは、「あ」

bは、「ぶ」など。

 

サイトワードとは、頻出単語のことでフォニックスにしたがうだけでは読めない単語です。

「sight」=「見ること」

つまり、一目みて分かる単語というものです。

例えば、I、you、make、haveなど。

英語ネイティブの子どもたちもフォニックスと同時に、あるいはフォニックスよりも前に学習するほど重要な単語です。

サイトワードについてはこちらも参考にしてみてください。

子どもたちは、アルファベットを覚えるところから始まり、卒業するときには簡単な文章が読めるようになります。

「Today, I am going to my school and play with my friends.」

これくらいの文章が読めると、読書も抵抗なくでき、さらなるリーディング力の成長につながっていきます。

「読める!」という自信もついています。

ライティング

リーディングと同じように、アルファベットから学び始め、アルファベットが書けるようになり、サイトワードが書けるようになり、最終的には日記や手紙が1人で書けるようになります。

子どもたちはライティング力の前に、スピーキング力やリーディング力が成長していくので、知っている単語を考えながら書くことができるようになります。

発音をもとに書いていくのでスペルミスは多いですが、繰り返しライティングの練習をしていくことでスペルについても意識できるようになり、しだいに正しく書けるようになります。

リーディング力がベースになるので、自分が書いた単語が覚えている単語と違うことに気が付き、スペル間違いを訂正していくことができるのです。

 

年長児の絵日記では、4、5文使ってその日にあった出来事を書いています。

プリスクール卒業後の進路

卒業後の進路として、

  • 公立、私立の日本の小学校
  • インターナショナルスクール

があります。

英語を続けたい方がほとんどですが、インターナショナルスクールは保護者の英語力の壁が高く、進学する方は少ないように思います。

また、日本人家庭の子も多いので「日本語」をきちんと学習してほしいという意見もありました。

外国人の方も、日本に住んでいるので低学年の間は日本の学校できちんと日本語を身につけてほしいという意見もあるようです。

ほとんどの方が日本の小学校に進学し、習い事として英語を続けています。

習い事としては英会話、英語学童、オンライン英会話などがありますが、プリスクールで毎日英語に触れていた子の英語時間を確保するのはとても難しく、英語力の維持がやっとなのが現実です。

ここから英語力維持についてお話していきます。

プリスクール卒業後の英語維持

英語学習には、時間の確保が必要です。

プリスクール卒業後、日本の公立や私立小学校へ進学すれば、学校では日本語を使い、家庭でも日本語生活になるため、習い事で英語学習時間を確保する必要があります。

子どもたちは英語を覚えるのも早いですが、忘れるのも早いです。

3月にプリスクールを卒業した子と夏休みの7月に会うと、英語での会話がとても難しそうでした。

こちらが聞いていることは分かるのですが、答え方を忘れてしまっていました。

たった4ヶ月でしたが、英語力の低下ははっきりしていて、英語学習時間の減少の影響を目の当たりにした出来事です。

こうならないためにも、小学生向けの英語学習方法をお伝えします。

英語学童

小学生の英語維持として英語学童は一般的になっています。

1時間ほどの英会話レッスンとは異なり、放課後の3〜4時間を英語で過ごすことができ、また長時間過ごすことで日常会話の習得につながります。

学童によって英語レベル、カリキュラム内容、サポート体制(バス送迎など)が異なるので、お子さんに合った学童を見つけてください。

オンライン英会話

一回20〜30分ほどのレッスンを無制限で受けられたり、テキストを使っていたりとオンライン英会話によって特徴はさまざまです。

毎朝、20分だけでもレッスンを続けると、聞くだけでなく、発言の練習になるので、会話力向上にとても効果的です。実際に、プリスクール卒業後の英語をきちんと維持できている子は、週に5、6回オンライン英会話を受けていました。

普通の教室へ通う英会話だと、週に1回45分など、十分な英語学習時間の確保が難しいのですが、手軽なオンライン英会話だと継続もしやすく隙間時間に学習できます。

話すのが苦手な子もいるとは思いますが、ぜひ無料体験などを利用して試してみることをおすすめします。

まとめ

今回は、プリスクール生の英語力を徹底解説し、卒業後の英語維持についてお話しました。

プリスクールに3年通うことでかなり高い英語力が身につきますが、卒業後にどう維持してあげるかがとても大切です。

せっかく楽しく身につけた英語を、楽しく学習し、維持できる環境が大事ですね。

これからプリスクールへの入学を検討されている方や現在通っているお子さまの成長が気になる方の参考になったら嬉しいです。