母国語が身についてから始めた方がいいの?
このような疑問を持っている方も多いと思います。
そこで今回はプリスクールでの子どもたちの英語習得の様子や卒園児の様子を現場で見る、私、バイリンガル保育士が解説します。
いろいろな考え方があるので、「1つの意見」としてぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
始めに伝えると私の意見は「英語は早い方が良い!」です。
子育てに英語を取り入れるべき?
日常会話を身につけることができる
バイリンガル保育士として幼児英語教育の現場を見てきた私の意見として、英語は早くに始めた方が良いです。
もちろんこれは子どもたち一人一人の個人差を考慮して成長に差があることは理解しないといけないですが、「英語を楽しむ」という点ではどの子にも共通して見られた成長です。
プリスクールで習う英語はまさに「日常会話」
誰もが日常よく使う英語ばかりです。
難しい単語や文法を覚えるのではなく、使う英語を身につけることができます。
日常頻繁に使う会話ばかりなので子どもたち自身も英語ができるという実感を得やすく、すぐに自信をつけて楽しむ様子が見られるのです。
恥ずかしさがない
この時期の子どもたちには失敗する恥ずかしさがありません。
私は今でも、中学校の英語の授業でとても発音が綺麗な子がみんなに笑われていたのを覚えています。
ここには英語だけでなく国民性や文化などいろいろな議論がありそうですが、笑われないようにカタカナ英語を練習するような授業では英語は上達しないですよね。
このような恥ずかしさが見られないのがプリスクール、未就学児期です。
この時期にある程度英語ができるようになると恥ずかしさが出てくるころには「私は英語ができる!」とすでに自信に変わっています。
そのことが実感できたのは、プリスクールを卒園して小学1年生になった女の子の例です。
・年長クラスになると日本語が発達して日本語を交えて英語で話す場面が増えた
・25人のクラスでは目立つほど英語が上達していなかった
↓
●小学生になり、学校で英語ができると自信がもてた!
●英語学童ではプリスクール時よりも積極的に英語を話している
●話す量が増えているので文章立てて英語を使えている
このように恥ずかしさが出てくる小学生になった時には、「英語ができる」という自信になっており、その自信を持ててから格段に成長が見られました。
この子は特に失敗や間違いが嫌いな子だったので、未就学児のときに英語の基礎が身についたことで失敗を恐れず学び続けることができていくでしょう。
日本語の発達への影響
ここで心配になるのは母国語としての日本語の成長です。
日本人として日本語を身につけてほしいと思う親御さんにとっては心配点ですよね。
実際、プリスクールでもこのような心配の声を聞きます。
答えは、問題ないです。
プリスクールの子たちで日本語に不自由を感じている子は全くいませんでした。
(どの子も両親とも日本人、あるいは中国人など英語圏ではない外国人)
むしろ日本語の方が英語よりも楽で話しやすい様子がありました。
月齢とともに日本語もきちんと発達していたのです。
どんなに平日プリスクールで過ごしていても、日本に住んでいる限り日本語の発達に影響を及ぼすことはないと感じました。
知り合いの英語講師の先生のお話を紹介します。
お母様が日本人で日本とアメリカのハーフ。
・小さい時からお母様とは日本語で、お父様とは英語
・自然に二か国語を話すことができるようになった
・2つの言語を同時に身につける上で大変だと思ったことはない
・どちらか1つを母国語として身につけてからもう1つを話し始めていたらもっと大変だった
プリスクールの子たちやこの先生のように、小さい時から英語を始めるのに問題はないことが分かるかと思います。
大学生で留学して英語を身につけた私に比べたら羨ましい限りです…。
また、家庭で話す言語の大事さに気がついていただけたでしょうか?
ここからは幼児英語教育の注意点を見ていきましょう。
子育て英語の注意点
子育てに英語を取り入れる時に意識してほしいのは、大人のサポートです。
プリスクールに通っていても、家庭でのサポートは必要です。
先ほども触れたように、平日プリスクールでは英語のみで過ごしても日本在住の日本人家庭の子どもたちからは日本語の遅れは全く見られませんでした。
つまり、子どもたちは家庭での会話からも言語を習得しているということ。
そして、家庭でも英語に触れている子はどんどん英語が上達し楽しむことができています。
英語の絵本を取り入れてみたり、映画や動画も英語のものを楽しむことができるようになるといいですね。
なぜ家庭でのサポートが必要かというと、日本人が英語習得するには3,000時間も必要と言われています。
(※アメリカ国務省の機関FSIの調査)
小・中・高校で約1,000時間勉強するとしても残りの2,000時間を確保するのはとても難しいです。
そのため、幼い時から始めるほど学習時間を確保できますし、勉強になる前に「楽しい」という感覚を持つためにも英語に触れる時間を増やしてあげましょう。
ここで疑問になるのがどのようなサポートを家庭で行ったら良いのかということだと思います。
この先は、英語講師の先生たちもおすすめしている家庭でできる英語教育についてお話していきます。
家庭でもできる英語教育
日本人が英語を身につけるには3,000時間必要。
家庭での英語教育で重要なのは英語に触れる時間を増やすということです。
少し子ども目線で考えてみると、英語が好きになれば日本語の絵本やテレビよりも英語の絵本や映画を好んで見ます。
親からの声かけがなくても自ら英語に触れていきます。
つまり、家庭で英語に触れる時間を増やすには最終的に子供が英語を好きなってくれるといいですね。
絵本
外国人の英語講師の先生たちがよく言うのは英語の本をたくさん読むことです。
難しくても絵本の絵だけ見てストーリーを考えるのもいいですし、絵を見ながらお話を聞くだけでもいいそうです。
その際はCDが付いている本を使ったり、保護者の方が読み聞かせしてもいいですね。
プリスクールの年長さんが好きだったのは、”Mr. Men”というシリーズです。
“Mr. Men”と”Little Miss”は、ストーリータイムにたくさんの子が先生にリクエストしていました。
小学生でも楽しめる内容ですよ。
動画
絵本の他には、テレビや映画、動画を見てみてください。
プリスクールでもYouTubeの動画を使ってレッスンをしていますし、ディズニー映画は発表会でよく使っています。
Peppa Pig
Super Simple Songs
年長クラスでは、Toy Storyの発表会をしたこともあります。
映画を子どもたちと見てストーリーを理解して、子供たちと一緒にセリフや動きを相談しながら劇を作り上げていきました。
劇中歌もすぐに覚えて、発表会が終わったあとも歌は大好きで歌い続けていましたよ。
このように子どもたちが興味のあるものを用意してあげてみてくださいね。
子育て英語のまとめ
子育てに英語を取り入れるべきかについてお話してみましたがいかがでしたでしょうか。
いろいろな意見、教育観がありますが、大事なのは子どもたち一人一人をきちんと見ることです。
その子の興味を引き出してあげるように英語環境を作ってあげることで楽しく英語が身についていくので、大人も一緒に楽しむことを忘れずに小さいうちから英語に触れさせてみてくださいね。
English is communication tool!
Let’s have fun!